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【2017/09/20 11:05 】 |
さりげなく消えたポイント(特別支配株主によるキャッシュアウト~一般株主の救済)
「特別支配株主による株式売渡請求」においては、中間試案から要綱にかけていくつか変化があった。その中で気になるのは、一般株主の扱いである。
 
振替株式については、売渡請求を通知ではなく公告で代替するのはやむを得ない。常に保有者が流動する振替株式では、基準日を設定するか、振替を廃止しない限り通知すべき相手を確定できないからである。(売渡請求については、その性質上、基準日の設定は不可能)
そうなると、一般株主については売渡が行われその代金を受領して初めて売渡の事実を知ることが多く、その保護が問題となる。売渡を知った時に既に著しく低い価格で買い取られていて文句も言えない、という事態をいかに評価し、いかに対処するか、ということである。
 
第20回の部会において、内田関係官の提案説明でこの点について述べられている。
すなわち、
「公告による代替を認めることに対する懸念への対応としては、公告による代替を認めないものとすることが当然に必要となるわけではなく、これとは別のアプローチとして、売渡株式の取得が行われたことを売渡株主が知り得るときから一定期間にわたって価格決定の申立を認めることでも足りると思われます。
そこで、対象会社が公開会社である場合に、公告による代替を認めることとする場合には、公告による代替がされた場合における価格決定の申立期間を、例えば、売渡株式の対価として交付される金銭に係る弁済の提供がされた日後20日間を経過する日までの間に伸長することについても、検討の余地があるものと存じます」
である。
しかし、この回の部会においては、公告による代替について若干の討議はなされたものの、上記の「別のアプローチ」については特段の議論は出ていない。
そして、第22回部会においては、上記の「別のアプローチ」は、事務局からの提案内容からすっかり落ちており、そのことについて何の説明もなされなかった。
 
おそらく、第20回部会の
「上場会社で9割株式を持つというような場合には、二段階TOBが行われているのが通常であって、実際上株主が知っているから振替株式制度上予定されている公告だけでも足りる」
という多数意見を拡張解釈し、「別のアプローチ」による手当も不要、としたものであろう。
 
しかし、当該多数意見は、通知を公告で代替することに関するものであり、事後救済について及ぶものではない。
また、TOBの後、すみやかに売渡請求がなされるという想定が正しいかの検証がなされていない。
例えば特別支配株主が残り10%の買収資金を手配するためにTOB後売渡請求まで相当の時間がかかることは想定されないだろうか(浮動株条件による上場廃止という時限性はあるが)?
また、TOBで85%を取得した後5%ブロックを持つ株主の保有分が片付き、TOB後相当期間経過したある時点で90%を超過することとなるようなことは考えられないだろうか(例えば当該5%ブロックを自社株買いするなど)?
90%取得後売渡請求まで相当の時間がかかる場合や、いつの間にか90%を超過する場合があるならば、その長期間公告をウォッチすることを株主に期待し、売渡以降は無効訴訟しか認めないのはフェアだろうか?
 
もっとも、価格決定請求を認めたところで、申立コストを考慮すれば、それを使うメリットがあるのは相当大きな株主のみである。
その「株を持ち続ける少数株主は泣いて消えろ」、という発想は、全部取得条項株式の取得決定時と同様であろう。
(全部取得条項を付す総会決議とTOBがパラレルであり、その段階で株を売らなければ「後は二段目のスクイーズアウトで泣くのを覚悟せよ」ということである)
本件も、「価格決定請求で争う実益があるほどの大きな株主なら売渡請求の情報くらいキャッチするから事後の救済は不要」くらいな考えか。
 
ああむなしいことよ。
 
 
【補記余談】
<その1>
事務局は、振替株式については公告による代替が「義務付けられている」から、本件においても公告で代替するのが当然、という論調で提案している。
しかし、公告による代替は、実質株主を確定できない振替株式の性質上仕方ないための、いわば必要悪である。本来は通知が望ましいに決まっている。
 
<その2>
某社MBOの連想ではないが、TOB成立後業績上方修正を発表、株価は上昇しているにもかかわらず、特別支配株主はTOB価格と同じを売渡価格を提案して買い叩く・・・というような事案の発生が想定される。
 
<その3>
上記の「別のアプローチ」で、20日間の起算日は、中間試案では売渡日(「取得日」)であったが、上記第20回部会では弁済の提供がされた日とされた。当然ながら妥当である(弁済提供日の見える化は必要となるが)。
株主名簿管理人において、売渡日現在の株主を確定し支払通知書を準備し発送するための期間は現在なら2,3週間必要だからである。
(先般、ライツイッシューを使いやすくするために証券代行機関における株主確定~書類発送を1週間程度に短期化する検討が行われている旨の報道があった。
早期化しても1週間だから、中間試案の「売渡日から20日間」はまったく非現実的であった)

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【2012/09/16 10:30 】 | 要綱関係 | 有り難いご意見(0)
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