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【2017/12/19 03:27 】 |
責任限定契約の対象者拡大に反対する(その2)
責任限定契約の対象者を社外以外の役員(監査役・業務非執行取締役)に拡大するという案がナンセンスであることは既に述べた。

http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/8/

一点補足する。
 
現行制度に
「監査役・業務非執行取締役が軽過失で損害賠償責任を負った場合において、取締役会が当該役員の責任減免を決議(または株主総会に提案)してくれなければ、当該役員は全額を賠償せざるを得ない」
という問題があるのは事実である。

しかし、だからといって責任限定契約を許容すべしというのは短絡的すぎる。
例えば
「監査役・業務非執行取締役については、軽過失により賠償責任を負った場合、その減免を請求することができる旨法定する」
という方法があろう。
これならば、悪意・重過失がないことの立証責任を役員側に負わせた上で、責任減免の検討を確実にさせることができるのだ。

あらためて言う。
要綱案によれば、オリンパスの元取締役が監査役に転じた途端責任限定契約を締結できるのだ。
取締役時代の賠償責任が時効にかかってしまえば、監査役としての責任を追及せざるを得ない。
悪意を持って不正の露見を防いだと思われる監査役でも、責任限定契約があれば、彼が
「確かに過失はありましたが、悪意重過失はありません」
と主張すれば、悪意重過失は追及側が立証しなければならない(※)。

社外以外の役員にそのような保護を与えることによるモラルハザードと、その回避方法をよくよく考えるべきである。

(※)実は、監査役を例にとるのはあまりよくない。監査役は独任制だから、自らの担当分野外でも不正の事実を知れば指摘すべきである。取締役時代に為した不正を指摘しない監査役の悪意の立証は比較的容易であろう。
(本当はその1で出した日本振興銀行の業務非執行会長の方がよい例になるだろう)
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【2013/11/12 00:17 】 | 要綱関係 | 有り難いご意見(0)
8/23 日本オラクル株主総会
日本オラクル株主総会に行ってみた。

参考書類に修正がある、と。
社外取締役候補者が社外でなくなる、と。もちろん、誤りではなく後発事象的修正である。
驚くことには、その候補者は次期社長CEOだと。社外から一転社長とは!と思ったら、親会社米国オラクルの人。

しかし、事業報告を見ると、その次期社長CEOは現在監査委員長。
社外取締役の中でも最も独立性が求められる監査委員の筆頭者が次期社長に転じるとは・・・。
今は業務執行していないといえるのか?
今は監査委員と親会社の立場から当社の業務を外から見ており、子会社たる当社の業務は執行していないと言いたいのだろうが、ラジカルな転身だ。ガバナンス的にはあまり美しくないと思う。

その次期社長CEOはもちろん執行役になるが、代表権は持たないのだと。
現社長も取締役会長になって執行役も続けるが、こちらも代表権は持たない。
今後の代表執行役は現法務室長1名。法務室長からもはずれ、「代表執行役」以外の肩書は付かない。
新代表執行役は実印を押すだけのお飾りではあるまいが、立場がよくわからない。
更には、法421条で代表権が推定される(表見代表執行役)「社長」に代表権を与えないのは疑問。いくら普段日本にいないとしてもだよ。どうも美しくない。複数に代表権与えればいいじゃん。

執行役は現在2名(CEO・CFO)、総会後4名(CEO・CFO・会長に上記新「代表執行役」)の予定。
しかし、壇上には「執行役員」というのもいる。
委員会設置会社は取締役から業務執行者を分離し、その執行者の会議体も規定ないわけだから、執行役員なんてみんな執行役にしてしまえばいいじゃないか。
有価証券報告書で見ると執行役員は20人以上と多数だ。
この会社の執行役員というのが役員型(一旦退職して就任)ではなく、使用人型(雇用関係維持)ならばそれなりに納得するところだが、副社長まで執行役員だから、使用人型とは思えない。
「副社長」ってのは、これまた代表権が推定される立場なのに、役員ですらないとは・・・。
(もっとも、他社でも類例---監査役設置会社で取締役でない副社長執行役員があった例を見たように思う)

そういう役員構成の問題とは別にも興味深かった点。
株主が「巨額の短期貸付金がある。当然取締役会で議論しただろうが、その内容は?」と質問した。
回答は、「(その貸付金は米国オラクル向だが)委員会設置会社ゆえ、CFO(執行役)決裁。取締役会には事後報告」であった。
 監査役設置会社なら取締役会の決議が必要なところが、委員会設置会社は執行役が決められるので決裁の文書化は義務ではない。監査役設置会社は、議論して意思決定過程を(議事録の形で)文書化する透明性ある組織だということを再認識した次第。

そのように、いろいろとガバナンスについて考えるネタをくれた総会だった。
行ってよかったぞ。


【10月8日追記】
参考書類の修正の件、WEB修正が出ているはずなので、後で見に行ってみた。
ところが、だ。招集通知記載のURL(http://www.oracle.com/jp/corporate/investor-relations/index.html)に行ってもそれらしいものはない。
「2013年8月7日第28回定時株主総会招集ご通知を掲載しました」の次は
「2013年8月19日代表執行役の異動等に関するお知らせ(PDF/69.0KB)を発表しました」で
その次はもう総会後だ。8/19は通常のリリースで、WEB修正ではない。
WEB修正は、その左フレームの「株主総会」という項目をクリックして表示されたページに出てくる。
 招集通知のURLを見ても修正があった事実が見えないって、実は法的にかなり問題かも。
また、そんな重要な変更を8/19(総会日は8/23)に出して、それ以前の議決権行使は果たして有効か?という疑問もある。まあ、こちらは、親会社が議決権の7割以上を持っているから問題にならないが。
【2013/10/07 00:05 】 | その他会社法関係 | 有り難いご意見(0)
6/25西武HD株主総会
久しぶりの書き込み。
本当は、常識に挑戦する論文を書いているはずなのだが気力が出ずに半年経過してしまった。
とりあえず、これも2ヶ月近くが経過してしまったが、西武HDの定時株主総会の感想を書こう。

西武HDの定時総会は5時間以上に及んだらしいが、私は、最初の2時間半を見た。
冒頭、議事進行の方法について議長が議場に諮り、挙手を確認したのみで「賛成多数」を宣言したので、サーベラス持分を超過する委任状を集めていることがわかった。
それで、全議案可決は見えたので、あとはサーベラスがどれだけのパフォーマンスを見せてくれるか、が見所だったのだが・・・率直に言うと、サーベラスの失点ばかりが目立った。

第一に、株主提案の提案理由陳述の姿勢。
「10分以内に」と言われているのに、サーベラスの日本での活動など、本筋と関係ないことを述べ立てた挙句、大きく時間を超過。ルールを守れない姿勢を露呈した。
もう一人、株主提案をした個人が、自分のブログの宣伝を交えつつも10分におさめたのと対照的な悪印象だった。

第二に、株主提案の内容。
監査役候補として2名を立てているが、定数4名に対し改選2名であり、サーベラスの提案が通ると監査役4名全員が社外監査役になってしまうということが、会社の説明で判明。
誰を常勤にするんだ?という問題を別にして、本筋論を語るにしても、コーポレートガバナンスより支配を目論む目的があらわになってしまった。

第三に、質問の内容。
「不採算路線の廃止やライオンズ球団の売却については、議論のたたき台として持ち出しただけ。代表からの私信の内容を公開するのはビジネスコーテシーに反する」と言ったが、少なくとも、不採算路線への「対処」、ライオンズ球団への「対処」ではなく「廃止」「売却」の議論を提案したということを自ら認めてしまった。
これでは、いくらそれが「たたき台」と言っても負けだ。

というわけで、サーベラスは、総会に出て自らの立場を悪くした印象が強い。少なくとも、私にはそう思えた。
負け戦が見えているから委任状争奪には出なかったのだろう。それなら、ついでに監査役に関する株主提案はせずに、また、総会にも無理には出なかった方がよかったかもしれぬ。

もちろん、会社側にも、
1)多数の来場が想定されているのに受入態勢が甘く、開会が10分以上遅れたのは大失点
2)サーベラスへの反論が冗長に過ぎた
という悪印象はあったが。

まあ、行ってみてよかった。
(みずほ信託の証券代行担当者に感謝)

【追記】
産経株主総会ライブ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130625/bsd1306251152010-n1.htm

その中でビジネスコーテシーについての質疑は ↓
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130625/bsd1306251452016-n1.htm
(「サーベラス関係者の株主」の「2点目」)



【2013/08/19 22:48 】 | その他会社法関係 | 有り難いご意見(0)
株主総会における議案の修正
同志社大学の伊藤教授のブログで、総会の場において参考書類に記載した議案を会社が修正することに関する論点が取り上げられている。
(2012年6月6日エントリー「書面投票制度採用会社の株主総会における会社側からの修正動議提出の可否
http://blog.livedoor.jp/assam_uva/archives/52102619.html

伊藤教授は、「会社による修正は許されない、必要な場合は(臨場)株主からの修正動議によるべし」という通説(「修正違法説+株主からの修正動議」)に違和感を感じる、とおっしやるのである。
修正違法説は、参考書類に記載すべき事項を株主総会の場で修正することは、総会に出席していない株主の利益を害する(結局、事前の情報開示が行われなかったのと同じだから)という考え方である。
一方、伊藤教授の違和感の方向性は、以下のとおりである。

*******以下抜粋引用******

(1)合理的な理由があれば会社側からであれ議案の変更は当然に認められるべきなのではないか、修正違法説の根拠は本当に説得的なのか
(2)株主からの修正動議という便法は、修正違法説の発想とは相容れないのではないか
 
*******引用以上******

ここでは、まず、修正動議について考えよう。
議案の修正動議は、株主の本源的な権利であるが、法令の趣旨ないしは書面投票の趣旨により、通常一般的に予見できる程度の範囲の修正に限定される、とされている。
少々古いが手元にある「株主総会ガイドライン」(東京弁護士会会社法部編)から引用する(伊藤教授が参照しておられる中村直人弁護士の文章とも整合)。

*******以下抜粋引用******

・ 動議の提出は、会議体の構成員にとって構成員であることに基づく固有の権利である。
・ しかし、今日の株式会社において、総会は商法その他の法令または定款によって定められた事項に限り決議することができる(商法230ノ10)。
・ したがって、会議の目的事項からみて、「動議」とは、招集通知に記載されて提出された議題および議案に関連する事項に限定して、総会において討論・採決に付して総会の意思決定を求めてなされる提案を言う。
・ 参考書類の記載によって審理されるであろうと考える内容からまったく予見されない範囲の修正案の提出は株主の期待と予想に反するから許されないが、通常一般的に予見できる程度の範囲の修正ならば株主の権利を害さないから許される。
 
*******引用以上******

これと同様に考えれば、
・会社による議案提案は会議主催者の本源的な権利であり、その変更も同様である
・議案提案権・その変更権は、法令の趣旨ないしは書面投票の趣旨により、一定の範囲に限定される
としてもよいであろう。

そうすると、通説は、「会議の本源的な権利が書面投票の趣旨により制限される」ことは同様なのに、会議構成員の修正動議は一定範囲で許され、会社による提案変更はまったく許されない、ということであり、伊藤教授の違和感は至極もっともである。

しかし、会議主催者たる会社の提案権は広範、かつ、株主提案が総会の8週間前までしか認められないのに比し会社提案は2週間前まで可能であるなど、そもそも権利が強い。
これに加えて修正の自由を認めたのでは濫用の危険があるから、信義則上、議案変更が許される範囲は、会議構成員の修正動議に許される「通常一般的に予見できる程度の範囲」よりも厳しくあるべし、という論理はあり得る。
その論理に基づき、会議構成員への提案が書面(参考書類)によっているという法令・書面投票の趣旨を信義則の根拠として、「会社による提案変更は、提案の撤回に限定すべし」、とすれば、「修正違法説」になろう。
というわけで、「修正違法説」は、信義則を根拠に論理を若干補強して「撤回以外の修正違法説」とすれば通用すると考える。

そのような信義則上の制限が「株主からの修正動議という便法」により容易に潜説できることについては、疑問がないわけではない。
しかし、「協力株主を得られることが、会議主催者の提案権の濫用ではないことの免罪符」、と位置づければ論理矛盾とまでは言えないものと考える。

但し、私は、中間試案のパブコメにおいて、株主からの修正動議の弊害を考え、議案の修正に関して別のアプローチで提案を行っている。
「修正違法説」の修正動議への拡張、すなわち、書面投票会社における議場での議案修正の全面禁止(但し、会社による撤回は認めてもよかろう。株主による撤回動議は、議案への反対として取り扱えば足りるので、認める必要はない)を法定することである。
http://kaishahou.hariko.com/a14shuusei.html

提案理由は以下のとおりである。
1)現在修正動議が許されるとされている「通常一般的に予見できる程度」かつ「株主の権利を害さない」範囲の修正とはどのようなものか、あいまいである。(会社との馴れ合い動議以外の)修正動議が出されると、会議運営者は、ごく短時間の間に当該修正が適法か否かを判断しなければならず、総会決議の不安定要因となっている。
2)「取締役○名選任の件」という議題の範囲であれば候補者の大幅な入れ替えも許されるという定説のもと、一般株主が予見し得ないクーデターで会社が乗っ取られた例もある(春日電機)。
3)一方で、議場での議案修正を全面禁止することによる弊害は限定的である。
伊藤教授のブログ記事の発端となっている、総会直前の役員候補者死亡にしても、議案を修正せずに解決するためには、臨時総会招集や一時取締役/一時監査役選任などのコストがかかるが、それは総会直後の死亡と同じことである。
なお、議案を実質的に変更しない限りにおいて誤りを訂正したり、治癒できない瑕疵のある議案を撤回したりすることはWEB修正で可能であろう。

以上のとおり、議場での議案修正を全面禁止すれば、伊藤教授の違和感の元となった論理ギャップ、修正動議の適法性判断のリスク、クーデターのリスク、いずれも回避でき、しかも特段の弊害もない、と考えるが、どうだろうか。

【付】
上記では
・会社の議案提案は会議主催者の本源的な権利であり、その変更も同様である
・議案提案権・その変更権は、法令の趣旨ないしは書面投票の趣旨により、一定の範囲に限定される
と記載したが、「会社」を「株主」に変えて、
・株主の議案提案は会議構成員の本源的な権利である
・議案提案権・その変更権は、法令の趣旨ないしは書面投票の趣旨により、一定の範囲に限定される
とすれば、株主提案に関する記述となる。
これも、会議の準備・運営等の都合や、構成員への提案の事前周知のために、提案資格者・提案期限・提案方法等に制限を加えることは許されるし、構成員に対する制限が主催者に対するものより厳しいこともあり得る。
この観点から、法や定款による株主提案に対する規制は、会議構成員たる株主の提案権を不当に制限せず、会議の準備・運営等の都合上、または提案の構成員への事前周知のために、合理的な範囲である限り正当化できよう。
【2012/10/28 07:45 】 | その他会社法関係 | 有り難いご意見(0)
商事法務N0.1978 【パート3: 監査役・監査役会の英文呼称解説について】
もう何も言うまい。
海外に機能を理解してもらうのが主目的と言いながら、日本の会社制度をトータルに説明しようとすると自己矛盾を起こしてしまうなんて・・・どう思ってるんだろう?

私の主張 ↓
http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/14/

なお、他に検討された選択肢として、2つについてコメントしたい。

まず、Supervisorは、この解説でも書かれているように比較的下級の現場監督的社員に使われる呼称なので見送りは正解だな。
実際、私が前にいた海外の部署では、
manager(課長)>assistant manager >senior officer>officer>supervisor>senior clerk>clerk 
という階層になっていた。

また、oversight boardも検討されたようだが、oversight の語は、「監督」よりも「見逃し」の意味が先に出てくると思うぞ。
見逃しボードじゃハナシになんないから、見送ってよかったな。
【2012/10/28 00:32 】 | その他会社法関係 | 有り難いご意見(0)
商事法務N0.1978 【パート2: 岩原教授による要綱解説より】
キャッシュアウトの価格決定の申立期間について、岩原教授は以下のように説明しておられる。
 
*********以下引用********
 
知り得なかった売渡株主等が価格決定の申立てができる可能性を高める方法として、取得日後20日間も価格決定の申立ができるとする案が事務局から提案された。(中略)しかし、これに対しては、特別支配株主が取得日から20日間の利息を覚悟して取得日から20日間を過ぎて対価を支払えば、少数株主は価格決定の申立ができなくなってしまう・・・等の再反論があった。
 
*********引用以上***********
 
どうやら、岩原教授は、事務局が第20回部会で提示した新たな工夫
「価格決定の申立期間を、例えば、売渡株式の対価として交付される金銭に係る弁済の提供がされた日後20日間を経過する日までの間に伸長」
をご認識ないようだ。
この案は、上記引用の「再反論」をほぼカバーできるのに、認識もされずにお蔵入りになってしまったわけだ。
そのような改善ポイントをきちんと強調できなかった事務局にも問題はあるかもしれないが、岩原教授/部会長、それをスルーして改案をお蔵入りとは、ちょっと悲しいぞ。

私の主張 ↓
http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/12/


【2013年10月6日追記】
私が脚注を見落としていた。
「価格決定の申立期間を、例えば、売渡株式の対価として交付される金銭に係る弁済の提供がされた日後20日間を経過する日までの間に伸長」
 については、脚注で言及されていた。
しかし、当初の「取得日後20日間」は、議論の価値もない叩き台レベルの案なのに本文で述べ、実質的議論の対象となりうる「弁済の提供がされた日後20日間」は脚注に回すとは、やはりご認識がよろしくない。
また、その脚注においては「弁済の提供がされた日後20日間」は検討された旨記載されているが、部会議事録を見ると、「検討」というに値する議論はほとんどされずに終わっているのである(上記http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/12/)。
【2012/10/28 00:22 】 | 要綱関係 | 有り難いご意見(0)
商事法務N0.1978 【パート1: 座談会ネタ】後編
座談会から、さらに2点。

【その2: 座談会】 社外要件における「重要な使用人」

前田教授は、「取締役会で選解任すべき使用人と考えるのがいい」とおっしやっている。
極めて自然である。
少なくとも現在の要綱の趣旨そのままで法案が作られれば、岩原教授が解説で述べられたような解釈(会社法362条4項3号より狭く解する)は無理があろう。

私の主張 ↓
http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/10/
 
【その3: 座談会】 支配株主の異動を伴う公募増資
 
引受証券会社1社が総議決権の過半数を引き受けると‥・という議論はされているが、証券会社は分けるが、公募に応じた投資家が1名だけ、という可能性は議論されていない。
誰か、プレミアム公募やってみたらどうだ??

私の主張 ↓
http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/11/
【2012/10/28 00:16 】 | 要綱関係 | 有り難いご意見(0)
商事法務N0.1978 【パート1: 座談会ネタ】前編
商事法務N0.1978(10/5-15合併号)は、突っ込みどころ盛りだくさんであった。
いくつかに分けてコメントしたい。


【その1: 座談会】親子会社間における社外監査役の兼任

まずは、 親子会社間における社外監査役の兼任である。
座談会において、このテーマに対し、前田教授が正面から答えている。
 
*********以下引用********
 
親会社監査役が子会社の社外監査役を兼任できないのは、・・・親子間に利益衝突がある場面で、純粋に子会社の利益だけを考えた行動を期待しにくいというのが理由
 
*********引用以上***********
 
また、「社外査役に求められる独立性の性質は社外取締役と違いはない」とも述べておられる。

大いに疑問である。
監査役に期待されるのは、「子会社の観点から不正」「親会社の観点から不正」といった一定の立場に基づく判断ではなく、より客観的な立場から見た公正不公正の判断である。
たとえば、ある場面において、親会社が子会社から不当に搾取しているように見えるとしても、客観的にトータルに見て不当な搾取ではないという心象が得られれば、追及すべきではない。
また、子会社が純粋に利益を得ている場合でも、それが客観的に見て親会社の不当な利益供与であれば、監査役はそれを止めるべきである。
社外監査役に期待される独立性はそのような客観性である。
社外取締役に期待される独立性は、(経営陣が大株主の方を向いて行動するのに対し、)純粋に会社の利益を考えて行動するという主観的独立性であり、社外監査役に求められる客観的独立性とは大いに異なるのである。
 
そして、社外監査役の客観性は、親子兼務によって一層向上する。
利益衝突の場面において両面から本質を見ることができるからである。

この対談を読み、「やはり、親子会社間における社外監査役の兼任は認めるべきだ」との思いを一層強くした次第である。

あらためて言う。
要綱に賛成している人は、ぜひ、親子で共通の社外監査役を置くことで生じる弊害を、「具体的に」述べてほしい。

私の主張 ↓
http://kaishahou.blog.shinobi.jp/Entry/13/
【2012/10/28 00:13 】 | 要綱関係 | 有り難いご意見(0)
監査役の英文呼称
日本監査役協会が監査役の新しい英文呼称を推奨している。
http://www.kansa.or.jp/news/information/post-246.html
 
********** 以下引用 ************
 
公益社団法人日本監査役協会は、監査役等の英文呼称に関し、新たな呼称を推奨することと致しました。
推奨する英文呼称は以下のとおりです。
   監査役    Audit & Supervisory Board Member
   監査役会  Audit & Supervisory Board
 
********** 引用以上 ************

 
↑ これを見ると、まず第一感で
  監査役会のない会社の監査役はどうするんだ?
  監査役会(Board)がないのに「Board Member」じゃねーだろ!
と思うところだ。
 
それに対しては、さすがは監査役協会、答えを用意している。
 

********** 以下引用 ************
 
なお、監査役会が存在しない監査役設置会社の監査役の英文呼称も、監査役会設置会社の監査役と同じく、「Audit & Supervisory Board Member」とする。監査役設置会社における Supervisory Board とは取締役会+監査役を意味し、かつ上記(2)と同様、監査役だけが Supervisory Board の機能を担うわけではないことから Auditという言葉が加えられている。
 
********** 引用以上 ************

 
いや~、私思うに、これはコヂツケですよ。
さらに追及するなら、取締役会がない会社でも監査役置けるし~!!
まあ、監査役協会の会員企業となれば、それなりの規模で、取締役会くらいはあるだろう・・・という程度の考えなのでせうか??
 
しかし、そういう中小切捨て的な考えへの批判は横に置いておいても、日本の会社法制を一般的に説明する場合にも、この新訳語は障害になりそうだ。
 
たとえば、
A kabusikikaisha must have at least one director.
A kabusikikaisha may have one or more audit & supervisory board members.
と説明する場合、「board」を前提にせず「member」が存在することになって、どうにもうまくない。


(その後に
A kabusikikaisha may have a board of directors which consists of at least 3 directors.
A kabusikikaisha may have an audit & supervisory board which consists of at least 3 audit & supervisory board members, where it must have a board of directors.
とでも続けば、違和感は多少薄れるけれど、取締役会と監査役会を説明しだすとaudit & supervisory board の説明が破綻しそうだ)

 
とにかく、私の関与する企業で定款の英訳に今回の新訳語を使おうという動きがあれば、私が今の仕事にいる限り強く抵抗するつもりだ。


#しかし、武井先生がヘッドでいたのに・・・こんな結論になってしまって・・・



【9/29追記】
某QAサイトでどこかの監査役から質問が出ていたが、「社外監査役」はどう表現するか、という問題も難しそう。
やっぱり、名刺にしか使えないぞ、この新呼称。

【10/17追記】
米国上場(ADR)している日本企業のForm20-F(有価証券報告書に相当する年次報告書)を見てみると、「corporate auditor」の語が何十回(多分100回超)と出てくる。
これを全部、その、長ったらしい呼称で置き換えるってのは害悪じゃないかねぇ?「simple is best」だべ。
たとえば ↓

トヨタ
  http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1094517/000119312512281223/d249054d20f.htm

みずほFG
  http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1335730/000119312512309705/d231152d20f.htm
  


#「監査役会」の英文呼称だけを変えるなら反対はしないけど、そういう問題じゃないって?
【2012/09/24 23:01 】 | その他会社法関係 | 有り難いご意見(0)
親会社社外監査役には子会社における社外性を認めるべきである
社外監査役の要件として、「親会社の監査役でないこと」が加わることとなった。
社外監査役に必要なのは業務執行者からの独立性であるところ、親会社の役員を兼務している子会社監査役には、親会社役員と子会社監査役の立場に潜在的な利益相反が存するからとされている。
すなわち、親会社の意向を気にして子会社の立場から自由にものが言えず独立性に問題が不足する可能性がある、という理屈なのであろう。
しかし、以下に述べるとおり、親会社の社外監査役までに子会社における社外性を認めないのはメリットより弊害が大きい。
 
一般に、親会社の者を子会社監査役にすると、以下のメリット・デメリットがあろう。
1)メリット1: 子会社経営陣の牽制になる(その者が子会社経営陣より上位であれば特に)
2)メリット2: グループ内の事情を知った上で監査できる。特に、グループ内部統制を子会社に及ぼし、内部統制の共有強化に資する
(体制構築=業務執行はできないので口を出すだけだが)
3)デメリット1: 親会社が子会社から収奪している場合や親会社が子会社に不正な行為を強制している場合に親会社に対して声を上げられない
4)デメリット2: 親会社と子会社が結託して不正な行為を行っている場合にそれを指摘できない
上記3)4)から、親会社社内者である子会社監査役には利益相反が潜在するという主張は正当である。親会社の社内監査役が子会社の社外監査役になるならば、たしかにそのような懸念があろう。
 
しかし、親会社の社外監査役を子会社の監査役にする場合は、上記3)4)は当てはまらない。
上記3)4)のような事実を発見すれば、親会社でそれを指摘する独立性を有しているはずであり、それができないようでは、親会社における社外監査役の資質もないということだからである。
 
一方、親会社の社外監査役を子会社の監査役にすれば、以下のメリットが加わる。
1’)メリット1’: 親会社の経営陣も一目置く人だから、子会社経営陣の不正行為への牽制が一層強くなる
5)メリット3: 子会社からの収奪等、親会社の不正な行為を発見する機会が増加し、親会社における牽制力が強化される
 
法制審の提案・議論は、「利益相反」概念に対する過剰反応の傾向が見られる(本項目以外にも、要綱案には入らなかった「子会社少数株主の保護」でフォーカスを親子間の利益相反に絞ったり、取締役会の監督機能として「利益相反の監督」を挙げるなど)。
本項目=社外監査役の要件議論については、概念としての「利益相反」ではなく、利益相反の具体的場面を想定して考えることが必要である。

本項目について、第21回部会で委員から疑問が呈された時、事務局(坂本幹事)は、「親子両方に対し善管注意義務を負う=一方を優先するわけにはいかない場合がある」としつつ、「具体的なケースは申し上げにくい」と発言した。
続けて、「一番わかりやすいものとして・・・監査役は取締役の善管注意義務違反まで見る・・・そういうところまで踏み込むということになってくると、取締役と監査役の違いを踏まえても親子での社外の兼務を認めるのは相当でない場面が生じてくる」と述べている。
これも、上記で私が述べたとおり、親会社の社外監査役であれば、そのような善管注意義務違反を発見すれば、親会社でそれを指摘する独立性を有しているはずであり、それができないようでは、親会社における社外監査役の資質もない。
野村幹事が「子会社の方で取締役が経営判断上著しく不合理な親子間取引を行っているような場合に、子会社の社外取締役(原文ママ。社外監査役か)は差止請求権を行使すべき場合でも、親会社監査役としては違う判断をするということが必要な場合もあるかもしれない」とフォローしたが、この例も、親会社・子会社とも社外監査役であれば該当しない。
 
要綱は、抽象的皮相的な思考で利益相反の可能性を過大視している。
具体的本質的に考えれば、親子で共通の社外監査役を置くことは、内部統制強化のメリットの方が大きいはずである。
更に、別の人材を探さなければならない実務上の困難を回避できるし、親子をトータルに理解してくれるから親子それぞれ別々の社外監査役にグループの状況を説明しなければならない非効率も回避できる。
 
要綱に賛成している人は、ぜひ、親子で共通の社外監査役を置くことで生じる弊害を、「具体的に」述べてほしいものだ。
【2012/09/17 16:57 】 | 要綱関係 | 有り難いご意見(0)
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